夏メーク、目元で勝負 マスク着用で新潮流

夏メーク、目元で勝負 マスク着用で新潮流
2020/7/20 10:00日本経済新聞 電子版

新型コロナウイルスの感染拡大は、女性のメークにも大きな変化をもたらしている。この夏はマスクが手放せない。肌の蒸れや、マスクが汚れるのを気にして、普段より薄化粧にしている人も多い。口元やほおが隠れる分、今夏は"目元が勝負"と、アイメーク関連商品の売れ行きは好調だ。目元メークで気分転換したい。

キラキラしていて、かわいいね――。7月上旬、生活雑貨を扱う渋谷ロフト(東京・渋谷)では若い女性が、まぶたを彩るアイカラーを品定めしていた。全国に展開するロフトの6月のアイカラー売上高は、前年同月比で約5倍。特に今夏は「目元が華やかになるラメ入りが人気」(渋谷店で健康雑貨を担当する荻野緑さん)だ。

化粧品全般は、コロナの影響で販売が苦戦している。資生堂が6月上旬、女性520人を対象に「夏のマスク着用時のメーク」をインターネットで調査したところ、49%がコロナの感染拡大前に比べ「化粧に使うアイテム数を減らした」と回答した。特に大きく減ったのが「口紅」(88%減)、ほおを色づける「チーク」(65%減)など。一方、マスクで隠れない目元関連商品は、影響が小さかった。

ウィズマスクの時代。上手なメークのコツはあるのだろうか。花王の化粧品美容部、川井春香さんによると、ポイントのひとつは眉だ。口元が見えない分、細くつり上がった眉は一段とキツい印象を与えやすい。眉山は「ストレートか緩やかな弓なりを心がけて」と川井さんは話す。マスク着用時は顔の横幅が膨らんで見えるため、眉尻をやや長めに描くのもコツだ。「こめかみにかけて、横顔の余白を埋めるように描く」。眉の印象がはっきりすると、横顔美人や小顔な印象にもつながりやすい。

マスクで口紅やチーク部分が隠れる分「今夏は明るいアイカラーやラメなど、目元の化粧を大胆に楽しむチャンス」と話すのは、資生堂トップヘアメイクアップアーティストの神宮司芳子さんだ。

今年のアイカラーの流行色はオレンジ。まぶた全体に塗った後、上からラメをまぶたの中央や、下まぶたに指先でポンポンと乗せる。「ラメで肌が艶々と輝く。くすみがちな下まぶたもふっくらして見える」。夏は寒色系のアイカラーも爽やかだ。「目元が見えるよう、前髪を短くしたり、分け目を作ったりすると明るい印象になる」(神宮司さん)。

■化粧で内面から豊かに
「大変なときほど、化粧に勇気づけられることがある」と話す関根近子さん
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「大変なときほど、化粧に勇気づけられることがある」と話す関根近子さん

 富士経済(東京・中央)によると、2020年のメーキャップ市場規模は5374億円と、前年比12%減る見込み。外出機会が減り、マスク着用で化粧品需要が減っている。店頭ではテスターが撤去され「需要喚起に苦戦している」(同社)。
 ただ大変な時だからこそ「化粧で幸せな気持ちを感じて欲しい」と、資生堂執行役員常務を務めた関根近子さんは指摘する。口紅を思い切り楽しめなくても眉が決まると仕事のスイッチが入る。就寝前にお気に入りのクリームで顔や手をマッサージするとほっと肩の力が抜け、リフレッシュできる。
 「化粧は外見を装うだけでなく、人を内面から豊かにする力がある」と、関根さんは話す。(佐々木たくみ)