書店員の大きな仕事の一つとして、『季節に合わせた売り場づくり』というものがありすす。
季節感を演出して販売促進を行うことが狙いのため、入り口を入ってすぐだったり、通路のど真ん中だったり、いわゆる〝一等地〟に本を展開する大切な仕事です。
売り場担当を持つ前、まだ新人だった頃の私は、「春夏秋冬だから年に4回だけ売り場をつくればいいんでしょ」くらいに考えていたんですが、そんな簡単な話であるわけがなく……。
実際はもっと細分化されていて、ほとんど毎月売り場を入れ替えています。
もう毎日毎日、「どうしよう、いつの間にか夏になっちゃった。
これはもう気づいた時には年末だぞ……」と季節に追われ、「来月は何するんだっけ?梅干し漬けたりするのは何月スタート? 今から発注して間に合うのか?」などとネタ探しと発注に追われています。
そんな悩める書店員の救世主、それが『カレー』。
もう、夏といえばカレーですよね。
カレーを出しておけば間違いない(笑)
老若男女みんな好き。
定番かつ人気ジャンルなので新刊も多いから売り場の鮮度も保たれて、数ヵ月はカレーでひっぱれる。
そういうわけで、もしかしたら食べること以上にカレーが大好きなんですが、さらに最高なのがここ数年で起きた『スパイス』の爆発的なブーム。
スパイスといえば、インド。
日本で一番有名なインド料理といえばカレーですよね。
今では、100均で販売しているスパイスで本格的なスパイスカレーも簡単にできるとか。
スパイスの基本がわかる本ばかりです。
今回は、書店員目線からおうち時間で『簡単に手に入るスパイスでできる本格カレー』ができるオススメ人気本を紹介します。
『スパイスカレーのレシピ本』書店員がオススメする外せない5冊
この数年で出版されたカレーのレシピ本には、必ずと言っていいほど『スパイス』の文字が付いています。
ひと昔前までは、カレーのレシピ本といえば「水野仁輔さんの本気のやつ!」なカレーマニア向け商品が多かったはず。
普通の人は、カレーといえばバーモントカレーとかのカレールーで作る、「ザ・おうちカレー」のことを思い浮かぶ人も多いかもしれません。
しかし、今やカレーレシピ本の棚に並ぶほとんどに『スパイスカレー』と名が付いて、「カレーといえばスパイスカレー」な状況です。
それだけスパイスカレーのレシピ本が多いということは、裏を返せばライト層や初心者層にも優しいレシピ本がザクザク出ているということ。
まさに選び放題なのです。
そこで今回は、数多あるスパイスカレーのレシピ本の中から、最近特に人気があるもの中心におすすめ本を紹介していきます。
『3スパイス&3ステップで作る はじめてのスパイスカレー』は初心者にオススメな本
ちなみに、私が初めて『スパイスカレー』という言葉を目にしたのはこちらの本でした。
全部で128ページです。
前述したカレー番長、水野仁輔さんの著書でした。
もう10年以上も前の本です。
ブームのずっと前からあり、そして現在も売れているスパイスでは定番中の定番になるバイブル的な書籍です。
それでは、オススメの5冊を、私の独断と偏見も入ったオススメ順に紹介したいと思います。
『私でもスパイスカレー作れました!』は分かりやすく簡単に作れる本
全部で144ページです。
2020年(第7回)料理レシピ本大賞料理部門コミック賞を受賞し、はちゃめちゃに売れたこちらの本。
カレーと言わず、なんだったら料理初心者でもできるやさしいレシピが、ほのぼのしたマンガで紹介されています。
基礎知識も勉強しながらスラスラ読めるので、スパイスカレーの入り口、入門書として最適です。
『ひとりぶんのスパイスカレー』は一人分のカレーが作れる本
全部で112ページです。
カレーってひとり分だけ作ることって、なかなかありませんよね。
一人暮らしだと一週間ずっとカレーです、みたいなことにもなりがちです。(要冷凍)
しかしこちら、カレーのレシピ本としては珍しいひとりぶんに特化していて、ありがたいことこの上なし。
しかもただのカレーじゃない、スパイスカレーが作れちゃうんだから言うことなしです。
中身もわかりやすくなっていて、
- グレイビー
- 好みの具材
- ベース
のうち❷と❸の組み合わせを変えることで、肉、野菜、魚、さっぱり、クリーミーなど、色んなタイプのカレーを作ることができます。
さらにありがたいことに、使うスパイスはたったの3つ。
さらにさらに、作り置きもOK。
スパイスカレーの世界をひとりで存分に楽しむための工夫が満載です。
『皿でめぐるディープな世界 がんばらないおうちスパイスカレー』はスパイス図鑑のような本
全部で96ページです。
動画総再生回数約850万回超えを誇る人気YouTubeチャンネル『世界の皿さんぽ』さん初の著書。
こちら、ページをめくってびっくり。
レシピ説明の文字が大きい!
本場すぎるインド料理を〝やかましく〟紹介していく動画のスタイルさながらに、レシピ本も豪快で個性強めです。
カレー以外のナン、デザート、チキンなど、その他のレシピも充実していて、スパイスカレーの世界をディープに楽しめる一冊となっています。
『にっぽんのインドカレー 初台スパイス食堂和魂印才たんどーるの店主が教える本格おうちレシピ』は日本のインドカレーの意味がわかる本
全部で96ページです。
「カレーに和?」と疑ってしまいますが、めちゃくちゃ和だし融合しているからすごい。
インド料理歴30年以上の店主が指南するこちらのレシピ本には、まさかのゴマ、梅、海苔、昆布などを使用した新しくて懐かしい味がたっぷりです。
表紙からして、どこか和定食のような雰囲気。
異国情緒漂うスパイスカレーのレシピ本と共に並んでいると、思わず手に取りたくなってしまいます。
『ビリヤニ とびきり美味しいスパイスご飯を作る!』はインドの炊き込みご飯のレシピ本
全部で160ページです。
突然ですが皆さん、”ビリヤニ“ってご存じでしょうか?
ビリヤニとは、簡単に言ってしまえば「インドの炊き込みご飯」。
私は数年前、おしゃれ雑誌『POPEYE』のカレー特集号で初めて知りました。
知ったとはいえ、食べられるお店も近所にないし、自分で作るなんてとてもとても……な遠い存在。
周りに聞いても「ビリ……え? 何?」な反応。
それが今年になって、まさかそのまんま、『ビリヤニ』というタイトルの本が出てしまいました。
一般的に認知度が低かったはずのビリヤニまで単独で本が出るとは……スパイスカレーの人気、恐るべしです。
「これさえあればビリヤニの全てがわかる!」というくらい、インタビュー、お店紹介、スパイス、市販ビリヤニマサラ配合表など、たっぷり充実の内容です。
ちなみにマサラとは、「混合されたもの」という意味。
だからビリヤニマサラとは、ビリヤニのために配合されたミックススパイスのこと。
10から15種類のスパイスが使われているそうで、想像しただけで「家では無理そう……」なんですが、それができちゃうよっていうのがこの本のすごさです。
スパイスカレーを究めた人ならビリヤニにも手を出したくなるはず。
ビリヤニの全てを網羅したこちらがあれば完ぺきです。
オススメスパイス本まとめ
本当はまだまだ紹介したい本がたくさんあるんです。
それくらい今、スパイスカレーのレシピ本は大充実。
おうち時間も増えた今だからこそ、前から気になっていたという人には挑戦しやすい環境が整っているんじゃないでしょうか。
スパイスカレーを味方につけるとこで、暑い夏はもちろん寒い冬も元気に乗り切ることができますよ。
私も、しばらくはスパイスカレーのレシピ本たちに売り場を守ってもらって、次の季節にそなえます!
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